キミの隣で恋をおしえて〈コミック版:恋をするならキミ以外〉
8割方、勢いでのことだった。
[行こうか!?]
勢いで送ったメールにまさかこんな返事が返ってくるなんて思いもしなかった。
[来て欲しい]
やっぱり安堂くんは甘えん坊だ。
…いや、寂しがりや、か?
(あれは、恋してたら100%保護だよ…)
北風に逆らってチャリンコを走らせながら、そんなことを思っていた。
クリスマスが明けると一気に街がお正月モードに突入する街中。
寒かったくせにホワイトクリスマスにはならなくて、安堂くんが言った通り、ホント、クリスマスって寒いだけ。
でも、昨日のクリスマスは、いつもより色んな意味で特別だった。
…色んな意味で。
今になって思うけど、安堂くんはどうしてあたしの家を知ってたんだろう。
それに誕生日も。
あたしは今、安堂くんからのメールを見ながら、家に向かっていた。
最寄駅から2駅しか違わない街に、安堂くんは住んでいたらしい。
メールを頼りに、行き着いた。
(でかー…!)
立派な分譲マンション。
一軒家のあたしとしては、一度は住んでみたい夢の城。
メールで教えてもらった部屋番号を入力して、オートロックを解除してもらう必要があった。
…ピーンポー…ン!
『……はい』
「小林です…っ」
『遅い』
「これでもダッシュで来たんです!!」
『俺は昨日、30分で帰りついた』
「……だから何よ」
『………50分かかってる』
「乙女には準備がいろいろあるわけよ!」
お腹空かせてるかもって、食材買って来ちゃったし、アイスノンとかあるのかなってそういうのまで買い込んじゃったし!
『………大して変わんないくせに』
「な、なんですってぇぇ!!??」
『うるさい。早く入って。腰痛い』
最後は体調不良を訴える会話。
……何なのよ。