キミの隣で恋をおしえて〈コミック版:恋をするならキミ以外〉
風邪から一夜明けたら、安堂くんは何だか凄く意地悪で。
最後まで口喧嘩をしながら、あたし達はバイバイをした。
(…結局駅まで送ってくれたし)
家を出る時は――。
『俺、病み上がりだし、外寒いから、…玄関まで見送るよ』
『~~~~~、ありがとー。棒読みの言い訳、よぉく分かりました。そうよね!寒いもんね!その寒い中、わざわざ家まで来てあげた心優しい素敵女子は誰でしょうねっ!』
『ほんと。何で彼氏、出来ないんだろーね』
――――ピキ。
『おほほほほほほ…』
(この男~~~~~!!!)
……なんて会話をしていたのに、いざ帰るとなったら、ぐるぐるに巻いたマフラーと暖かそうなダウンを着て、顔の半分を隠した安堂くんが立っていた。
『玄関先までのくせに大袈裟』
ってあたしが笑うと、安堂くんは何も言わずに、ブーツを履いた。
それで結局、駅まで至る。