恋は理屈じゃない
LOVE*8
遊園地デートのお礼
遊園地デートを終えた翌日の木曜日。速水副社長にお礼のメールを送信した。返ってきたのは【俺も楽しかった。今度またどこかに一緒に行こう】というメール。
その短い文章を何度も読み返してはひとりニヤける私って、ちょっと怪しい人みたい?
いつかまた速水副社長とデートできる日が訪れるといいな……。
そんなことを夢見ながら、忙しい週末を乗り切った。
そして迎えた十月第三週の月曜日。今日の出社は午後からだけど、その前に立ち寄りたい場所がある。
いつもより少し遅めの朝食を取ると、外出する準備を整える。そして家を出ると駅に向かった。比較的空いている午前中の電車に乗り込むと、車窓から晴れ渡った空を眺める。
夜の遊園地デートも楽しかったけれど、今日みたいな澄んだ青空のもとで速水副社長とゆっくりデートできたら、すごく楽しいんだろうな……。
バッグからスマートフォンを取り出すと、速水副社長とのメールのやり取りをまた読み直す。遊園地デートのお礼はメールで伝えたけれど、それだけじゃなんだか物足りない。気持ちだけじゃなくて、なにかお礼の品を贈りたいな……。
そう考えた私は、こうして電車に揺られて東京プラチナガーデンに向かっているのだ。
目的地の最寄り駅で下りると改札を抜ける。速水副社長が住んでいる超高層マンションを右手に見ながら、プロムナードを進んだ。