クラッカーにはご用心
「『殊犂』か……。えらい昇格ちゃいます?こ·と·り·ちゃん。」


「ウルサイ。黙ってろ。」



先に席に着いた蜜穿に聞こえない様に涓畤壟は小声で言うが、ニヤニヤが止まらない。



なにせ呼び方が『お巡りさん』から『殊犂』になったのだ。


恋のキューピッドとしては鼻が高い。



殊犂も照れくさそうに言う為、涓畤壟の顔は尚更締まりが無くなる。



「黄縁叡執、訴追されたらしいてな。余罪もたんまりあって、てんやわんややて?」


「復帰そうそう裏取りに駆り出されて、お疲れさんやったなぁ。」



「貴様ら、一体どこから情報を……」


「お前の部下や。あいつ、ええ奴やでな、ほんまに。」



またもや警察関係者しか知らない事を知っていた鰍掩と楮筬。



何故、今回の情報源は掎蹟だったのか。


蜜穿のことの連絡ミスをネタに脅し……もとい、警察官やったら責任取らなあかんのちゃうかなぁ~?と軽く、ほんの軽く鰍掩と楮筬が挟みうちで言った。


それで、掎蹟が自ら、決して2人が強制した訳ではなく、自ら話したからである。



「口を滑らす剥嚔石も剥嚔石だが………貴様ら、いい加減にしないと、恐喝で逮捕するぞ。」
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