クラッカーにはご用心
「おぉーこわっ。」


「なんや、まだあだ名で呼んどらんのか?きぃーせ、寂しいやろうに。」



「憶測でものを言うな、剥嚔石は小学生ではない。」



殊犂は呆れて否定するが、掎蹟があだ名で呼んで欲しいのは事実。


あだ名の道はまだまだ遠そうだ。



「ところで蜜穿ちゃん、家見付かったん?探しとったやろ?」


「まだやったら、僕らの知り合い当たろうかと思おとるねんけど。」



「ああ、いらんいらん。ことりと同棲しとるさかい、新しい家は用無しや。」



碑鉈と剣の提案を断ったのは、蜜穿ではなく楮筬だった。



「な……!何故貴様が知ってる?!」


「この間、きぃーせが他のサツと話しとんの偶然聞いたんや。偶然、な。」



「傍聞きもええとこや…」



楮筬のにやける顔に、到底偶然とは信じがたい。



「あ!蜜穿様~!」



来店してそうそう蜜穿を見付け抱きつく柿蒲。



「ええかげん、抱きつくやめ。」



「え~やって、蜜穿様がおるん、嬉しいねんもん!蜜穿様はうちのお師匠様やもん!」


「師匠って……弟子は取っとらんわ。離れ。」



色々落ち着いたので頻繁に来る蜜穿が嬉しいらしい。
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