クラッカーにはご用心
『ついに堕ちたか 天才ハッカー ハニービー!!乱れ射つかの如く、幾つもの善良なホームページを攻撃!』



「兄貴、これ、どー思います?」



涓畤壟が見せた雑誌は、ついこの間まではハニービーを称えていたのに、ここ最近はこんな感じ。


ただ現実はその通りなのだが。



「どうもこうも、警察が騒がんのを祈るだけや。あっちの領域に手は出さん。かっきーも分かったな。」


「……分かってますよー」



蜜穿を助けたい気持ちは山々なのだが、足手まといどころか迷惑にすらなる己の力量。


鰍掩に言われる前から手を出さないと決めている。



「飴魏蜜穿っ!!」


「ことりちゃん、ええかげん兄貴のことは………って蜜穿?」


「蜜穿様ならおらんしー」



「………チッ。邪魔した。」



勢いよく開けた扉を勢いよく閉め、殊犂はいなくなった。



「何なんあれ?ことりっち、何しに来たん?」


「さあ?蜜穿のことは、ことりちゃんやないんやけどな。」


柿蒲も涓畤壟も、管轄違いの殊犂が蜜穿を探す理由が分からない。



「ええから放っておけ。」



鰍掩は蜜穿の笑みを思い出し、面倒な事になりそうだと思った。
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