クラッカーにはご用心
「藹革!」


「……牟齧、貴様はタイミング良く現れるんだな。」



栲袴がひとしきり泣き終わって落ち着きを取り戻した時、見計らったように荊蜻が現れた。



「お前が先々行くからだろ。見失っただけだ。射唐栲袴だな、不正アクセス禁止法違反で逮捕する。」



荊蜻が栲袴を連行して行った。



「あんた、なんでおったんや?うちらのことはあやつの担当やろ。」


「射唐栲袴はな。貴様と隗赫鰍掩の逮捕は俺が担当する。」



「…さよか。」



殊犂と蜜穿の2人は、応援で来た警ら担当のパトカーで病院へと向かっていた。


帰ってもいいと言われたのだが、病院に用があるなどとなんとも嘘くさい理由を付けて、蜜穿は殊犂に同行している。



「それにしてもよう分かったな、うちらがあそこにおること。」


「ハニービーは海外サーバー経由ではないから痕跡が見つからず常に特定不能な状態だと、サイバー犯罪対策課が嘆いていた。」



「うちはオリジナルのコマンド使おとるからな。他が海外サーバー使うんは、外国の為に捜査協力が得られんさかい管理者を特定出来ひんようにしたり、複数経由で追跡に時間かけさせたりするんが目的やからな。」
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