クラッカーにはご用心
「しかし今回は海外サーバー経由で時間はかかったものの、初めてIPアドレスに辿り着いた。そこが射唐栲袴の施設で、行ったら移転後だと聞いてな。本人もおらず、なんだか胸騒ぎもしたからな。」
「なるほど。リソースはあやつか。ちゅーか、あんたにも刑事の勘ゆーやつがあったんやな。」
蜜穿が栲袴を呼び出した寂れた建物は、栲袴の施設の移転前の建物。
移転後、そこを買い取った業者が取り壊し途中で倒産してしまい、施設も住めないのでそのままになっていた。
誰のも邪魔も入らないだろうと、蜜穿は選んだのだ。
「大きなお世話だ。…それに、解析の結果、詳細は掴めなかったが貴様が何か企んでいるのは見てとれたからな。案の定、居やがった。」
ソフトウェアを書き換えるなどという、栲袴より上の技術を持つ者はそういない。
蜜穿だと直感し、殊犂は妃翠までわざわざ探しに来たようだ。
「(居やがったって、うちは害虫か…)」
応急措置を断った為、タオルでグルグル巻きにしただけの殊犂の利き手を蜜穿は横目で見る。
忌々しそうに窓の外を見ながらも話してくれる殊犂とは目が合わないので、病院に着くまでそうしていた。
「なるほど。リソースはあやつか。ちゅーか、あんたにも刑事の勘ゆーやつがあったんやな。」
蜜穿が栲袴を呼び出した寂れた建物は、栲袴の施設の移転前の建物。
移転後、そこを買い取った業者が取り壊し途中で倒産してしまい、施設も住めないのでそのままになっていた。
誰のも邪魔も入らないだろうと、蜜穿は選んだのだ。
「大きなお世話だ。…それに、解析の結果、詳細は掴めなかったが貴様が何か企んでいるのは見てとれたからな。案の定、居やがった。」
ソフトウェアを書き換えるなどという、栲袴より上の技術を持つ者はそういない。
蜜穿だと直感し、殊犂は妃翠までわざわざ探しに来たようだ。
「(居やがったって、うちは害虫か…)」
応急措置を断った為、タオルでグルグル巻きにしただけの殊犂の利き手を蜜穿は横目で見る。
忌々しそうに窓の外を見ながらも話してくれる殊犂とは目が合わないので、病院に着くまでそうしていた。