クラッカーにはご用心
「男ちゅーもんは、そんな程度や。けほけほっ…」



最低な発言をした楮筬に、柿蒲は殴りかかろうとする。


楮筬の後ろから現れた蜜穿に気付くまでは。



「蜜穿様!……咳き込んでますけど、大丈夫ですか?」


「けほけほ……大丈夫、単なる風邪や。熱あれへんし、放っとけば治るわ。」



蜜穿とは真逆の気分らしく、柿蒲から距離をとり安全を確保した楮筬は笑顔だ。



「こーぞーさん、なんや嬉しそうやね。」


「おうよ!これ、みんなで飲もう思おてな。」



「どないしはったんですか、ワインやなんて。」


「ハスラーのオヤジから夫婦喧嘩の相談受けてな。解決したゆうてそのお礼にやて。」


「ハスラーってビリヤード場の嗄声みたいなハスキーボイスがかっこええちょっと無口な人?」


「ああ、そうや。」



態度だけや伝われへんし言葉やって傷付ける


けど超能力者でもない限り人間は何か行動せーへんかったら伝えられへん


傷付いて傷付けて、それでも大切で分かり合いたいからぶつかり合うんや


もどかしーても温かなれるんがええんや



「そうゆうて、エンジエライトのネックレスでも贈れてアドバイスしたんや。」
< 39 / 122 >

この作品をシェア

pagetop