クラッカーにはご用心
「みつばち、お前、あいつらとどーゆう関係や?」


「げほげほ……別にどないな関係も」


「どーゆう関係や聞いとんねん!!」



「ぐっがっ、げほげほ……」



「ずいぶん仲ええみたいやなぁ?赤根楮筬が部下使おてお前探しとるし、刑事もうろちょろし出してきとるし。どんな手使おたんや?あ゙ぁ?」



まただ、と思った。



叡執からの嫉妬いう名の暴力と、愛情という名の男女の関係の強要。


この男にはこれしかレパートリーが無いのかと思うほど、繰り返される行為だった。



「ガサ入れん為に戻したけど間違いやったか?地元が同じやと親近感わくさかいにな。」



大阪と東京の行き来は、廓念会の都合でしかない。


そこに売られた蜜穿の意思など存在しない。



「まぁ、ええわ。お前が仕事やらんかったら、寄付金無くて施設のガキ共が餓死するだけやさかい。」



この男ならしかねない。



これからはネットの時代だと施設の子供達に教育する中、頭角を現した蜜穿にクラッキングを教えたのは叡執だ。


今では蜜穿の右に出る者はいないが、力関係は変わることはない。


脅され、悪事に手を染めなければならないぐらいに。
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