クラッカーにはご用心
ガチャ……―――



「おかえり、お巡りさん。」


「飴魏、蜜穿……」



帰宅した殊犂は、リビングにいた蜜穿を見て驚く。



「なん?そないな顔して。」


「あ、いや……いると思わなくてな。また居なくなってるんじゃないかと。」



「…………。そう…したかったんやけどな、鍵どこになおしとるか知らんかったし。」



自分で連れてきておいて、と思ったが鍵があればそうしていたので、否定はしなかった。



「お巡りさん帰ってきたし、もうええな。」


「ちょ…おい!またあの男のところに戻る気か?」



漂白剤を持って出て行こうとする蜜穿を、殊犂は肩に手を置き止める。



「どこに戻ろうが行こうが、あんたに関係ないやろ。」



殊犂の手を振り払い、玄関に向かう。



「か、関係ならある!俺は貴様のことが好きだ!」


「!!」



お節介をやくのは警察官としての情だと思っていたのだが、まさか好きとは思わず蜜穿は驚き振りかえる。



「あ………いや、えっとだな、だから、つまり………」



言うつもりは殊犂に無かったのだろう。


行くな、と続きすら言えずに、これ以上ないぐらい狼狽えている。
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