クラッカーにはご用心
「つーちゃん!超能力者はおると思う?」


「UFOの次は超能力?」



ワクワクした様子で剣に聞く涓畤壟。


またもや深夜番組の影響らしい。



「未解決事件の透視やっとってん。コネクティングちゅー残留思念を読み取とんねんけど、それが当たる当たる!めっちゃ凄かったんやで!」


「超能力ゆうより陰陽師……霊媒師みたいやね。」



「ほんで事件は解決したん?」


「んにゃ、引き続き捜査してくって終わったわ。」



超能力で解決出来たならそんな良いことはないが。


世の中そんなに甘くないようだ。



「UFOで思い出したけど、この間中学生相手にソーラーバルーン飛ばして実験しとったら、それ見た小学生がUFOやゆうて騒ぎになって大変やったて、きゅーさんが言っとったわ。」



「あ~、確かにあれは間違えるかもしれへんな。」


「お誂え向きにビニール袋が黒色やったんよ。でも誤解解けた後は皆で実験して、大勢で楽しかったゆうてたね。」



屋外だと迫力が増し結構好評だった。



「さて、そろそろかしゅーさんの用意しとこかな。」



来る気配はないのに準備に取り掛かる剣を、涓畤壟は不思議そうに見た。
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