クラッカーにはご用心
「全く俺の祈りは届かんな。」


「こっちには配慮してくれたさかい、大目に見なな。」



話ながら入ってきたのは鰍掩と楮筬だった。



「つーちゃん、すごいやん!超能力者や!」


「ただの超直感…、第六感やよ。」



ESPの如く言い当てた剣に、憧れの眼差しを涓畤壟は向ける。



「なんや、けんしろー。おもろい顔が更におもろなっとるで。」


「ほんま?こーぞーさんにおもろいなんて誉め言葉やわ~………ってなんでやねん!全然誉め言葉ちゃうやんけ!」



「下手なノリツッコミは見苦しいからやめとけ。」



からかう楮筬に乗る涓畤壟へ、鰍掩は冷静に突っ込んだ。



「飴魏蜜穿っ!」


「ことりちゃん!」



毎度お馴染み、とそろそろ飽きられそうな殊犂が登場した。



「会いたかったでー!」


「俺は貴様などには会いたくもない。」



「怪我、もう大丈夫なんです?」


「外出許可を貰えるまでにはな。……飴魏蜜穿は居ないのか?」



店内を見回すが、蜜穿の姿は見当たらない。



「風邪気味で帰らせた後から来てへんよ。もう数ヶ月は姿見とらんね。」



あれから殊犂以外、会ってないようだ。
< 99 / 122 >

この作品をシェア

pagetop