ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる
「じゃ、今度は僕が北を案内するよ。風邪引いたら嫌だし。だから今日はもう帰ろう」
詩織と長い時間話しをしている間に考えていたことだ。
まだ帰りたくない様子の詩織を見て、ちょっと自信を持てた僕はすんなりと誘うことができた。
そんな僕の言葉に詩織は諦めたように微笑む。
その笑みには嬉しさも見えて、僕は誘ってよかったと安心する。臆病なのか、自信家なのか自分でも時々分からなくなる。
「分かった。じゃ、帰ろう」
そう言って僕の隣に立ち上がる詩織も、同じように背伸びをして体を伸ばした。
ここは静かで落ち着くけれど、長時間過ごすのには向いていないのかもしれない。
詩織の手帳と僕のバイトのシフト表を照らし合わせてまた会う約束を交わし、送って行くと言う僕の誘いは丁寧に断られたけれど、僕らは別々の方向へと笑顔で別れた。
結局ポケベルの番号は聞けなかったが、それでも僕は焦ってはいなかった。
僕ともう少し一緒にいたいと思ってくれていたであろう彼女、また会う約束もしてくれた。番号はその時に聞けばいい。
群青色に染まっていく空の色とは逆に、僕の心は暖かい色に染まっていた。
これから進む2人の未来へ……期待に満ちた色に。
詩織と長い時間話しをしている間に考えていたことだ。
まだ帰りたくない様子の詩織を見て、ちょっと自信を持てた僕はすんなりと誘うことができた。
そんな僕の言葉に詩織は諦めたように微笑む。
その笑みには嬉しさも見えて、僕は誘ってよかったと安心する。臆病なのか、自信家なのか自分でも時々分からなくなる。
「分かった。じゃ、帰ろう」
そう言って僕の隣に立ち上がる詩織も、同じように背伸びをして体を伸ばした。
ここは静かで落ち着くけれど、長時間過ごすのには向いていないのかもしれない。
詩織の手帳と僕のバイトのシフト表を照らし合わせてまた会う約束を交わし、送って行くと言う僕の誘いは丁寧に断られたけれど、僕らは別々の方向へと笑顔で別れた。
結局ポケベルの番号は聞けなかったが、それでも僕は焦ってはいなかった。
僕ともう少し一緒にいたいと思ってくれていたであろう彼女、また会う約束もしてくれた。番号はその時に聞けばいい。
群青色に染まっていく空の色とは逆に、僕の心は暖かい色に染まっていた。
これから進む2人の未来へ……期待に満ちた色に。