ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる
レトロな雰囲気と美味しいお茶とたわいもない会話を堪能した僕らは、また北の町をぶらぶらとしながら公園まで戻って来た。
いつものように並んで膝を抱える。
そして、まだまだ尽きることのないたわいもない会話。
「やっぱり夢がある、やりたい事があるっていいよね」
陶芸家のタマゴとして修行に励んでいる僕の姉のことを、詩織はいたく気に入ったようでたくさん質問をしてきた。
「うん、修行は厳しいけれど苦じゃないって言ってるよ」
「そうかぁ」
姉のことを憧れるように輝いた目で話す詩織を見て嬉しくなる。憧れられているのは僕ではないのに。
詩織は、ふと少し雲の多い空を見上げ、そのまま視線をユキヤナギへと移す。
「やっぱり……この前より少し散ってるね」
だんだんと、白い花の間に緑の葉が増えてきた。
「うん、でもほら」
僕は少しかがんで、詩織が見えるように桜の木を指差す。そこには今にも咲きそうに膨らんでいるピンク色の蕾が、所狭しと枝に並んでいる。
「ああ、ほんとだ。もうすぐ咲くね」
あと1週間もしたら満開になるだろう。また、詩織と一緒に見に来たいな。
いつものように並んで膝を抱える。
そして、まだまだ尽きることのないたわいもない会話。
「やっぱり夢がある、やりたい事があるっていいよね」
陶芸家のタマゴとして修行に励んでいる僕の姉のことを、詩織はいたく気に入ったようでたくさん質問をしてきた。
「うん、修行は厳しいけれど苦じゃないって言ってるよ」
「そうかぁ」
姉のことを憧れるように輝いた目で話す詩織を見て嬉しくなる。憧れられているのは僕ではないのに。
詩織は、ふと少し雲の多い空を見上げ、そのまま視線をユキヤナギへと移す。
「やっぱり……この前より少し散ってるね」
だんだんと、白い花の間に緑の葉が増えてきた。
「うん、でもほら」
僕は少しかがんで、詩織が見えるように桜の木を指差す。そこには今にも咲きそうに膨らんでいるピンク色の蕾が、所狭しと枝に並んでいる。
「ああ、ほんとだ。もうすぐ咲くね」
あと1週間もしたら満開になるだろう。また、詩織と一緒に見に来たいな。