ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる
私の言葉にハルは少しだけ考えて

「……じゃあ、明日一緒に行かない?」

そう言った。

今度は一方的に決めるのではなく、ちゃんと私に聞いてくれた。

見つめ合った私たちの間に少し強く吹いた風は、また小さな花びらを舞い上げる。

その花びらを目で追いながら私は考えていた。

今日初めて会った人に、また会おうと誘われた。

今までの私だったらきっと断っていただろう。

名前と年齢と住んでいる町と、好きなカフェとパンしか知らない相手だ。

それでも大人びているようで、どこか子供みたいなところもある、今目の前にいるまっすぐな君と。


また会いたい


素直に、そう思っていた。

こんなことを感じるのは初めてで、いったいどうしたらいいのか……それでも戸惑いながらも頷くと。

「じゃあ、決まり。また明日ここで待ってる」

こんなことには慣れてるのか、ハルはサラリと言ってのけた。

「……うん、分かった」
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