ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる
ハルに家まで送ってもらった翌日は朝からバイトだった。

どうしてだか、ずっと気分はモヤモヤしていた。

ちょっとしたミスもしてしまい、店長が珍しいわねなんて言っていたけど。情けないったら。

昨日の雨は夜のうちに止んでいて、今日は春らしく暖かいいい天気だというのに……それにバイトが終わればまたハルにも会えるのに。

なんでかな、気分が上がらない。

「うたちゃん、お疲れ様。もうあがって」

「あ、はーい」

普段通りに着替えを済ませ店を出る。

変に騒つく胸はとりあえず気づかないふりをして、爽やかな風を頬に受けながら自転車を漕ぎ進める。

日が暮れるのがだいぶ遅くなった夕暮れ時、西の空が少しオレンジ色になっている。

今日はもう遅いから少ししかハルと一緒にいられないな。

それでも、少しでも。

今日はハルに会いたかった。

まだ気持ちを伝えたわけでもない、それどころか連絡先さえ知らないなんて。これは本当に恋なのか?


私は、ハルに恋をしているのだろうか。


はは、ダメだ。自分の気持ちさえ分からないのに何が告白だ、笑ってしまう。
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