ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる
友達が聞いたら驚くだろうな。

いつも恋には消極的でいつもヤキモキさせていた私が、こんなに簡単にまた会う約束なんてしている。

あ、でも明日からはもう学校には行かなくていいんだっけ……そう考えると、急に卒業が現実味を帯びてきた。


「どうかした?」


急に黙り込んだ私が気になったのか、ハルが顔を覗き込んできた。

「う、ううん。なんでもない」

ハルの透明感を間近に感じ、ドキドキしてしまう。

なんだか今日は、心が忙しい。


「よかった。また明日も会えるんだね」

私から顔を上げ、少しずつ夕闇に包まれていく空を見上げながらハルは呟く。

「え?うん」

私と同じ気持ちを、ちゃんと素直に表に出せるハルを羨ましく思いつつ、嬉しくなる。

ふふっと思わず笑うと、ハルは少し膨れてまた子供みたいに言った。

「好きなものは、1人で食べるより2人で食べた方が美味しいんだよ」

「うん、そうだね」

ハルの言う通りだと思った。

「笑わないでよ〜」

そう言っているハルも、つられて笑っている。
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