ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる


次の日の朝、私は友達からの電話で目が覚めた。そういえば、何人かの友達と会う約束をしていたんだっけ。

具合が悪い、と適当に断りやっとベッドから起き上がると頭の奥がジクジクと痛む。具合が悪いという言い訳もウソではなかったな。

お母さんは出かけたのか、仕事なのか家には誰もいなかった。

私は用事されていた朝食を無理やり口にし、牛乳で流し込む。空腹の身体は食べ物を欲していたようで、それだけでも少し元気が出た気がするから不思議だ。

再びベッドに寝転がり、今日1日をどう過ごそうか、どう過ごすべきなのか……グルグル頭を巡らせて考えていると、「ピンポン」と玄関のチャイムが鳴る音が微かに聞こえた。


ハル⁈


そうだ、この前家まで送ってもらったんだから私の家は知っているはずだ。

私は本能的に飛び起き、寝起きのままの格好だということも忘れて勢いよく玄関のドアを開ける。

「あ、お荷物で〜す」

間の抜けた声の配達人は、ぶっきらぼうに私に向かって小ぶりな荷物を差し出し、ハンコを要求していた。

「ああ……はい」

だよね、ハルなわけないよね。
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