ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる

そして 前へ

ーーここは、どこ?

目の前には真っ白に広がる世界。
遠くから誰かが私を呼ぶ声が聞こえる。

ーーうたーー

誰?

目を凝らして辺りを見渡せば、目の前の白は、一面に咲くユキヤナギの花だと気づく。

そのユキヤナギの木の向こうに佇む人影。


ハル?


「ハルっ‼︎」

お腹の底から出したはずの声は驚くほど掠れていた。

私を見るハルは、いつもの柔らかい笑顔。


「またね、うた」


そう、優しく言ったハルの声は私の心の奥底まで響いて、潤いを持って広がる。

「ハルっ⁈」

大好きなハルの姿は、だんだんと小さくなりそして見えなくなった。


ハルっ‼︎ ハルっ‼︎
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