ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる
このコンビニの近くには私立中高校があるので、平日でも生徒たちで賑わっていてなかなか忙しい。

部活動も盛んに行われているらしく、いろいろな練習着姿が目に映る。

ああ、とうとうこの子たちより年上なってしまうんだな……そんなことを思いながら店内を見渡す。

ついこの前まで私も、この子たちと同じように制服を着て学校に通っていた。

そんなことが、なんだか既に懐かしくて。

弾けるような笑顔を見せる彼らが眩しく感じてしまう。

毎日のように顔を合わせるから、もう知り合いなんじゃないかと錯覚してしまう男の子。

あのモデルみたいに可愛らしい彼女と優しそうな彼は、いつの間に付き合い始めたんだろう。

もう趣味のようになっている人間観察をしていると、あっと言う間に時間は過ぎる。

バイトも終わりの時間になり、主任に頼まれていたお菓子コーナーの発注データを流し終わったころには、迷っていた心は影を潜めていた。



ハルに、会いたい。
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