ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる
休憩〜!と言ってベンチに座りお茶を飲むハルの周りで、子供たちも一緒にお茶を飲んでいる。

みんなで走り回っていたのだろう。
どの子の額にもうっすらと汗が見える。

「ハル、この人だれ?」

1人の子が私を見てハルに聞く。

「僕の、友達。うただよ」

「ふーん」

僕の……友達。

そうか、友達、か。

そうだな。今はそれが一番しっくりくるかな。

「今日は、うたと約束をしてるから遊ぶのはもう終わりだよ」

ハルがそう言うと、子供たちは一斉に私を見て「えーっ?!」と不満げな声をあげた。

ハルはすっかり子供たちの人気者になったようだ。

私は邪魔をしてしまったようで少し申し訳なく思う。

「また、遊ぼう」

そんな彼らに向かってハルは優しく言った。

その笑顔を見て納得したのか、子供たちは仕方ないな、という表情を見せ小さな手を振ってくれた。

「バイバイ、ハル!うた!」

呼び捨てかよ、と思いながらも可愛らしい姿に私も自然と笑顔になる。

2人並んで、公園の出口へ向かい歩き始める。

昨日は華奢な印象の彼だったが、やはり男の子。がっしりとした肩や腕がたくましく見える。

なんだか少し、胸が高まった気がする。
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