ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる
ハルはまた、私の隣に座りこんだ。

「明日もバイト?」

「うん、今日と同じ」

また明日も会おうと誘ってくれるのだろうか。

そんな風に思ってしまい、胸が騒つく。

「また、会える?」

「……ごめん。明日はおばあちゃんと約束してて」

ああ、こんなことならバイトだの約束だのしなければよかったよ。

「そっか、じゃ、明後日は?」

「明後日は、高校の時の友達と遊びに行くんだ……」

せっかく誘ってくれているのに申し訳なくて、つい声が小さくなる。

それでもハルはイヤな顔ひとつせずに笑って言った。

「じゃ、しあさって!」

まるでクイズに答えるかのように。

「あはは、うん。じゃあ、しあさって。今日と同じ時間ね」

「やった!」そしてクイズに正解したかのように、喜ぶ。

私に気を使ってくれて明るく振る舞っているのか、2日間くらい会えなくても気にしないのか。

どちらか分からないが、やっぱり不思議な子だ。
< 38 / 211 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop