ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる
「南かぁ、あんまり知らないな」
隣の町だけど、遊びに行く時には詩織の町は通り越してもう少し大きな町まで出ることが多い。
詩織はそんな僕の言い方が癪にさわったのか「北かぁ、あんまり知らないな」なんて真似をして言うから、笑ってしまう。
顔を見合わせて笑うと、少しだけ2人の距離が縮まった気がして。
詩織も遊びに出る時には僕の町とは反対方向の少し都会まで行くのだろう。
そう、2つの町は似たような小さな田舎町だってことだ。
僕は今度南を散策してみるのもいいな、なんて考えていた。
「詩織は、金山高校?」
濃紺のブレザーにスカートのグレーのライン。間違いないはずだ。
詩織は制服を見られるのを意識したのか、僕の顔を一瞬チラリと見てから風で揺れるスカートを抑えた。
意識してくれているのが自分だけじゃないと分かりホッとする。
「そう。春太くんと同じ、卒業生だよ」
「え?」
なんで僕が卒業生だって分かったのだろう?
制服を見れば、僕が詩織より少しレベルの低い高校に通っていることは分かるだろうけど。
隣の町だけど、遊びに行く時には詩織の町は通り越してもう少し大きな町まで出ることが多い。
詩織はそんな僕の言い方が癪にさわったのか「北かぁ、あんまり知らないな」なんて真似をして言うから、笑ってしまう。
顔を見合わせて笑うと、少しだけ2人の距離が縮まった気がして。
詩織も遊びに出る時には僕の町とは反対方向の少し都会まで行くのだろう。
そう、2つの町は似たような小さな田舎町だってことだ。
僕は今度南を散策してみるのもいいな、なんて考えていた。
「詩織は、金山高校?」
濃紺のブレザーにスカートのグレーのライン。間違いないはずだ。
詩織は制服を見られるのを意識したのか、僕の顔を一瞬チラリと見てから風で揺れるスカートを抑えた。
意識してくれているのが自分だけじゃないと分かりホッとする。
「そう。春太くんと同じ、卒業生だよ」
「え?」
なんで僕が卒業生だって分かったのだろう?
制服を見れば、僕が詩織より少しレベルの低い高校に通っていることは分かるだろうけど。