ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる
「うた」
「……ん?」
初めてハルに名前を呼ばれたのに、なぜだかとても自然だった。もう、何度もそう呼ばれているように。
「卒業、おめでとう」
えっ?
私が高校生だということは制服を見れば分かるだろう。でも、卒業生だということまでどうして分かったのだろう?
やっぱりこの子、不思議。
私の周りに疑問符がたくさん浮かんでいたのだろう。ハルは、ははっと笑って私の胸元を指差した。
そこには、外し忘れた『卒業おめでとう』と書かれた花飾り。
「ああ、あはは。ありがとう」
私は恥ずかしくなり、慌てて花飾りを外してポケットへと入れた。
そんな私を見て、ハルはまた笑う。
それはまるで、ユキヤナギの細い枝が風に揺れているようで。
その笑顔からは嫌味や曲がった気持ちは一切感じられず、ただただ裏表のないまっすぐなハルが、私には伝わってきた。
そしてまだ一言二言しか交わしていないのに、彼がどこから来た何者なのかも分からないのに、私は彼を魅力的だと思い始めていた。
「……ん?」
初めてハルに名前を呼ばれたのに、なぜだかとても自然だった。もう、何度もそう呼ばれているように。
「卒業、おめでとう」
えっ?
私が高校生だということは制服を見れば分かるだろう。でも、卒業生だということまでどうして分かったのだろう?
やっぱりこの子、不思議。
私の周りに疑問符がたくさん浮かんでいたのだろう。ハルは、ははっと笑って私の胸元を指差した。
そこには、外し忘れた『卒業おめでとう』と書かれた花飾り。
「ああ、あはは。ありがとう」
私は恥ずかしくなり、慌てて花飾りを外してポケットへと入れた。
そんな私を見て、ハルはまた笑う。
それはまるで、ユキヤナギの細い枝が風に揺れているようで。
その笑顔からは嫌味や曲がった気持ちは一切感じられず、ただただ裏表のないまっすぐなハルが、私には伝わってきた。
そしてまだ一言二言しか交わしていないのに、彼がどこから来た何者なのかも分からないのに、私は彼を魅力的だと思い始めていた。