紫苑の花~追憶~

7月末。
夏の暑さよりはっきり分かるこの時期、私達の学校では水泳の授業が始まろうとしていた。


「あっつ！！何この暑さ！」

「もー！蘭うるさい！次の時間の体育、水泳なんだから頑張れよ！」


その途端、目をキラキラとさせた蘭に私は笑ってしまった。

それもそのはず。この学校は1学年の人数が少ないから1学年合同で水泳の授業を受けることになっているからね

ってことはクラスが違う逞と一緒に体育ができるのだ！


「やった！でもあたしは泳ぎニガテなんだよね…。まひるはいいなぁ。好きな人が同じクラスでさ！」

「まぁね♪泳ぎなら私に任せなさい！ってか蘭？私と同じクラスはご不満ですか？」

「うん！」

「こんにゃろー！」


長年一緒にいるからなのかふざけ合いは日常茶飯事！

この時私はあの日した約束を思い出した。
人の相談にのるのが好きな私は早く実行したいとワクワクしていた。


「蘭！早く着替えて行こ！早くー！」

「まひる？！なんで急にテンション上がってるの！待ってよ！！」