暗闇のアリス second story [完結]
人には一つや二つ、隠したいこともある
言えないこともある
私なんて、ほとんど言えない。言えていない。
そんなことを思っていると、
意を決したように紫雨が口を開いた
「あいつは、……珠樹はもうここには来ねぇ。」
え?
「な……んで。」
「理由はわからねぇ、」
「わからなくねぇだろ?!アイツは今苦しんでんだ!おれたちで助けに……!」
今にも紫雨に掴みかかりそうな葉瑞をサクが押さえつける
「葉瑞やめろよ!紫雨だって、……僕だって分かってるんだ!だけど、今はだめだ!」
葉瑞は舌打ちをしてドアの方へ歩いていく
「どこいくんだ。」
「……かえる」