暗闇のアリス second story [完結]
バンッと扉が強く閉まった
「…………ごめん。」
私がつまらないことを聞いたから。
わたしのせいで喧嘩させてしまった。
彼らの日常を崩しているのは、私。
「藍、つまんねぇことかんがえてねぇか?」
知らない間に俯いていた顔をあげる
窓からオレンジの光が差し込んでいるのが見えた
「これは遅かれ早かれ向き合うべき問題だったんだ、珠樹から話した方がいいと思っていたが。」
「藍も、知らないと心配だよね」
「珠樹の家はあるバーを経営してるんだ。」
サクはポツリポツリと話し出す
「そのバーは普通じゃないっていうか。えーと。」
あ、そうか。
彼らにとっては私はただの女の子。
言いずらいことなら、私は思い当たる節があった。
これ以上は聞かなくてもいいか
「さく。ありがとう。私は大丈夫!信じて待つよ。」
「藍……」
さくの本当の笑顔を久々に見た気がした