手のひらの恋
今日も目が真っ赤にはれていたが
必死に隠そうと冷やしたり
化粧してごまかした。
学校は今日も楽しげな
笑い声で溢れていた。
こっちは悲しんでんのに
世界は普通に回ってるんだって
いらだちも覚えた。
だけど悲しみに溢れたきなりの
救いでもあった。
「おはよう」
「あっおはよう!」
真琴と美里が走ってきた。
「大丈夫…?」
心配そうに見つめる二人。
「うん、大丈夫だよ。
ごめんね、心配かけて」
きなりは昨日のことを話した。
二人はゆっくり話すきなりの話を
うん、うん、と相槌を打ちながら
真剣に聞いてくれた。