手のひらの恋
コンビニ
きなりは外をみてフルートを
吹くのが好きだった。
中学の頃もグラウンドを
眺めながら吹いていた。
「あーあ。ここにも
グラウンド見える窓欲しいな」
生憎この学校でグラウンドの
見える教室は図書館くらいだ。
しぶしぶ校門を見ながら
音だしをしていた。
するとぱっと誰かが
こっちを向いた。
「ん?誰だ?」
きなりは目を凝らして見た。
蓮見康史だった。