手のひらの恋


「はじめっ」


先生の声でテストが始まった。



「あー‥」


隣から声が聞こえた。



ちらっと見ると
彼は筆箱をあさってた。



(けしごむ‥かな?)


きなりはけしごむを
すっと滑らせた。

「使う?」




「あ、おしい!シャーシン。」



自分のミスに恥ずかしくなって
黙ってシャーシンを渡した。




「さんきゅ。」











「おしまーい」
< 9 / 69 >

この作品をシェア

pagetop