幼なじみとさくらんぼ
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なんだか頭痛がする。それなのに私は今日も早く起きてお弁当作り。
なんか今日の卵焼き失敗しちゃった。いいや、歪な方はハチにしちゃおう。どうせハチは味重視だし。
ハチと栗原先輩は3日前に付き合うことになったらしい。
「なんでその時言わないの?」って言ったら「言うの忘れてた」だって。いやいや忘れないでしょとそこで突っ込んでも問題はそれじゃない。
ハチに彼女……?あのハチに?
「おはよう、ナナ」
玄関を開けると珍しくハチが待っていた。
ちょっとドヤ顔してるけどあれだけ鬼電したんだから起きてもらわなきゃ困る。
「ってかその自転車なに?」
学校までは徒歩なのにハチはシルバーの見慣れない自転車にまたがっていた。
「結局あれから田村が漫画貸しに来てくれて。乗ってきたチャリがパンクしたとか言って置いていったんだけどよく見たら空気なかっただけみたいでさ」
だから代わりに学校まで持って行ってあげるのか。
「乗りなよ。うしろ」
私はすでにカゴに入ってるハチのカバンを退けて自分のをそこに入れた。
「ちょ、ナナは自分で抱えててよ」
「お弁当逆さまになってもいいんだ」
「それはダメ」
ハチがゆっくり自転車をこぎ出すタイミングで、私の足も地面から離れた。