幼なじみとさくらんぼ



私は次の日、手早くふたつのお弁当を作り終えた。ピンクのお弁当箱は私でブルーの少し大きいのがハチの分。

中学の時気まぐれで作ったお弁当にハチが味をしめて、高校になった今もこうして作ってあげてる。

まぁ、一人分も二人分も一緒だし。


「七海(なみ)。瞬くんのお母さんから電話よ。どうしても起きないからお願いって!」

「えーまた?」


ハチの寝起き世界一は悪い。

目覚ましを10個大音量にしても起きないし、叩いても揺さぶっても起きない。そんな時は決まって私が起こしに行くことになっている。

今日は少し時間に余裕があるから昨日雑誌に載ってた可愛い髪型のお団子してく予定だったのに。

私は適当に髪をとかして急いでハチの家に向かった。

右隣にあるハチの家のインターホンは壊れている。私はそのまま家に上がるとハチのお母さんが「七海ちゃんごめんね~?」と手を合わせた。


ハチのお母さんは20代に見えるほど可愛くてお菓子作りが得意のおっとりとした性格。だからハチにもまぁまぁ甘い。

私はせっかちで時間にも厳しいからそう考えればハチとは真逆の性格だ。


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