幼なじみとさくらんぼ
ブラッドチェリー



それから私は野菜炒めとオムライスと冷凍餃子をチンして食べた。組み合わせはいつも考える方なんだけど今日は適当だ。

するとピロンッとラインの音。

【晩ごはん食べる♪】という今更返ってきたハチの返事はどうしようか。とりあえず既読になっちゃったけど無視。

ってか栗原先輩とご飯でも食べてきたらいいのに。まさかデートしてるなんて知らなかったからラインしちゃったけど。

そんなことを思いながらお皿を洗っていると今度はハチからの電話。留守電設定にしてないし、ハチが諦めるか私が出るかどっちかしかない。

ずっとしつこいぐらい鳴ってる着信音に私は渋々応じた。


『ってかなんで無視?』

珍しいハチの重低音。微妙に機嫌がわるい。


『いや、気づかなくて……なに?』

『晩ごはん。食べるって返事したんだけど?』

『あーごめん。今食べ終わっちゃってハチの分ないや』

あははっと笑ってみたけど無言のハチが怖い。


『今からそっち行っていい?』

ってことは栗原先輩と一緒じゃないんだ。まだ公園でイチャイチャしてると思ったのに。


『うーん、今日はムリかな。今から勉強するし』

『……』

いや、勉強するのは本当だよ?テスト近いし苦手な英語だけは過去問もやっておきたいし。


『ってかもう家の前だけどね』

『はぁ?』

『だから開けて?』

急いで玄関を開けると私と通話中のハチが立っていた。


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