幼なじみとさくらんぼ



もうなんなの。

行っていいか聞いてるくせにもう来てるんじゃん。ダメって追い返される想定はハチの中にないのかな。まぁ、さすがにそこまで拒否らないけどさ。


「野菜炒め残ってるじゃん!」

さすがハチ。腹ペコの犬のようにすぐ台所へと寄っていく。


「ちょっと作りすぎたの」

「だから俺の分でしょ?」

「ハチ野菜嫌いじゃん」

「んーナナが作ったなら食べるよ」

なんだか上手く乗せられてる気もするけど仕方ないからオムライスも作ってあげた。ご飯もなぜか2合も炊いちゃったし。


「たまには家で食べればいーのに」

私は正面に座って美味しそうに食べるハチを見ていた。


「んーだってうちも今日遅くなるから晩ごはんは七海ちゃん家で食べてねって連絡きたし」

……ハチのお母さん。ってかお母さん同士が仲よすぎてお互いの予定とか把握しすぎなんだよね。

家も隣だしまるで2世帯みたいだよ。

ハチはあっという間にご飯を食べ終わって帰ると思いきや、私の部屋へと上がって行った。

だから私勉強したいんだけど……。ハチはどうせ漫画読んでゴロゴロしてるだけなんだし。


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