幼なじみとさくらんぼ
「今日ナナの誕生日だから一緒に帰りたかったんだよ。んで俺だとなにがいいか迷うからナナにプレゼント選んでもらおうと思ったの!」
ハチは少しふて腐れていた。
ハチが選んでくれたシャーペンの頭には大きなウサギとパンダとネコの顔が付いている。それを見て思わず笑ってしまった。
「どうせセンスないとか思ってんだろ?だから先に帰るなって……」
「いや違う違う。シャーペン可愛いよ?ハチは昔から迷ったらシャーペンだなぁと思って」
「悪かったな」
ハチが私にお土産を買ってくる時は動物のストラップかシャーペンと決まっている。私が動物好きだから。
ハチは昔からなにも変わらない。
勉強は覚えないくせに人の誕生日だけは覚えてて。私たちって本当に真逆だなって思うよ。
「ハチありがとね。明日から学校で使うよ」
新しいシャーペンを使うとなぜか勉強の意欲が増す私も小学生の時から変わってないけど。
「つーかいい匂いするけど風呂入った?」
「うん。だから電話気づかなかった」
「どうせ何か考えごとしてたんだろ。その癖やめろよな。前なんて昼間から3時間くらい入って逆上せかけたじゃん」
ハチがお母さんと同じことを言ってる。
ってかお母さんで思い出したけどお母さん私の誕生日忘れてるよね。まぁ、裕子とハチに祝ってもらえたから私は満足だけどね。