幼なじみとさくらんぼ
「今送るね~」
「すいません。ありがとうございます」
ピロンッと届いた栗原先輩からのライン。先輩のプロフィール画像は自撮り写真でまるでモデルのように写りがいい。
なんでこんなにキレイに撮れるの?カメラの質?それとも機種の問題?
私なんて自撮りしないけど、したら笑えるぐらいヘンな顔になりそう。やっぱり実物がいい人は写真写りでもいいんだな。うん。
「待ち受け可愛いね」
そんなことを考えていると、栗原先輩が私のスマホを見て言った。
「あぁ、これ猫の写真で……」
「知ってるよ。瞬の家で飼ってるミーコでしょ?」
しまった……。
ミーコはカメラを向けるとすぐに逃げちゃう猫で。だから偶然真正面を向いて撮れた写真をハチと『奇跡だ』って言ってお互いに待ち受けにしてたんだった。
付き合ってればハチの待ち受けを見る機会もあるし、ミーコの名前を知ってるってことは、おそらくハチの待ち受けは確認済み。
おそろいって思われたかな……?
彼女の先輩からしたら嫌だよね、きっと。
「今度私もミーコに会いに行くんだ!もし写メが撮れなかったら私にもそれ送ってくれる?」
「え、は、はい!」
「よかった。あ、そろそろチャイム鳴っちゃう。今度七海ちゃんも一緒に遊びに行こうね」
キラキラとした笑顔で去っていく先輩。
心も広いしその上余裕がある。
これが恋愛経験の差なのかな?なんか先輩がスゴい人に見えてきた。