幼なじみとさくらんぼ
アクアチェリー
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それから数日が経って週末。
お母さんとお父さんは朝からよそ行きの洋服を着て、手には大きなボストンバッグ。
「じゃあ、戸締まりしっかりね。あと火の始末だけには気を付けるのよ」
「はいはい。大丈夫だから早く行きなよ。タクシー待ってるんでしょ?」
今日からお母さんたちは1泊2日で旅行に行く。どうせ明日の夜には帰ってくるのになんでこんなに大荷物なのか。
たくさんお土産買ってくるって言ってたけど、どうせ温泉饅頭だしあれ美味しくてつい食べ過ぎちゃうんだよね。
「なにかあったらすぐ連絡しなさい。家のことよろしくな」
「うん。お父さんたちも気をつけて」
私はふたりを玄関で見送った。
さて、残ってる課題でもやろうかな。
今日はひとりだしご飯は久しぶりに出前でもいいかも。お父さんがお金を置いていってくれたし、たまには贅沢しちゃおうかな?
――と、その時。2階の部屋からスマホの着信音が聞こえてきた。
もしかしてお母さんたち忘れもの?いや、あんなに大きな荷物で逆にいらない物のほうがあるはず。
慌てて確認しにいくと着信はハチからだった。