幼なじみとさくらんぼ



「……私はいいけど、栗原先輩は嫌がるんじゃないの?」

ハチはいちいちこんなこと先輩に報告したりしないだろうけど。もし知ったらいくら大人な先輩でもムッとしたりするんじゃないかな。


「ん?なんで?俺がナナの家に泊まったらダメなの?」

「ダメっていうか……」

「ナナがそんなこと気にしなくていいよ。それに先輩のことは俺の問題でしょ?」

だから私には関係ないって言われた気がした。


なんとなく胸がチクリとしたけど本人はお構い無しにテレビを見てるし。

たしかに栗原先輩のことはハチの問題だ。

ハチがいいと言えばいいんだろうし、ふたりは3日に1回は一緒に帰って、週末はデートをしてるぐらい仲よし。

私がハチへの距離感とか考えなくても支障はないしラブラブなんだろうけど……なんか、なんか……モヤモヤする!


「ちょっと私お風呂入ってくる」

「はいよ~」

考えごとというより、熱いお湯に浸かってさっぱりしたい気分。どうせ40分は暇なんだし時間的に丁度いい。


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