幼なじみとさくらんぼ
「さっきから削除依頼出してるんだけど問い合わせてもダメだし。七海の番号、アドレス、ラインのIDまで全部書かれてるから早めに解決しないとヤバいよ!」
そんな……番号まで?
私はポケットからスマホを出した。
そういえば朝は忙しくて触る暇なかったし、勉強中は無音設定にしてるからそのままかも。
スマホを触った途端に大量のメールやラインの知らせ。しかも着信履歴は知らない番号で埋まってるし、非通知のワンギリもかなりの数。
「……遅かったか。私もさっき知ったから対応が遅れちゃって……ごめん」
「う、ううん。裕子が謝る必要ないよ。こ、こんなのただのイタズラだし放っておけば……」
「イタズラで済めばいいけど」
「え?」
「調べたらけっこうガチのサイトらしいし、ぶっちゃけデートとかご飯はオマケでほとんど卑猥目的のサイトだよ。ここまでならオッケーとか、これとこれはいくらとか」
「……」
「七海のやつ読み上げたくないから自分で見てほしいんだけど、けっこう細かく料金分けも書かれてて……。こんなのイタズラじゃ済まないよ」
たしかに裕子が言ったとおり、その料金表は口に出せないほどの細かい内容だった。
デートは3000円、手を繋ぐのはプラス1500円。キスは5000円。そのあとの項目は気持ち悪くなるほどの内容。
「七海大丈夫?」
「……う、うん」
手に持ってるスマホさえも気持ち悪くて、私は電源を切った。