幼なじみとさくらんぼ



私はそのあと教室には戻らず保健室に行った。

まさかこんなことが自分の身に起こるなんて……。


「裕子は教室に戻っていいよ」

ただの精神的なものだし、こうしてベッドで寝ちゃってるが申し訳ない。先生にはとりあえず腹痛と嘘をついた。


「教室に行っても気分悪くなるだけだし!」

「……裕子」

「クラスの女子は全員七海の味方だよ?でも一部のバカな男子が言いたい放題でさ。どうせ彼女もいなくて女経験もないくせにあんなサイトごときで興奮しちゃってさ!」

「ゆ、裕子……。なんかキャラ変わってない?」

「当たり前だよ!私友達傷つけられるのが一番ムカつくの!七海は私の親友なんだから!もう本当に許せない」

すごく大変なことになってるのは分かってるけど、裕子がそんな風に思ってくれてたんだって知って嬉しい。


「裕子が男だったら絶対好きになってた」

「ちょっと今はそんな冗談言ってる場合じゃないよ?」

だけど信じてくれる人がいれば私は大丈夫。

このサイトだってみんな物珍しさに騒いでるだけだし、削除依頼が受理されればきっと落ち着くはずだ。


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