幼なじみとさくらんぼ
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それからどのくらい時間が経っただろう。
ミーコの名前を呼び続けて走り去った方向を探しているけど、見つかるのはミーコじゃないノラ猫ばかり。
探してる内にどんどん辺りが暗くなって気持ちだけが焦る。
暗くなればなるほど見つかりにくくなるし、交通量も増えてきたから最悪の事態ばかりが頭をよぎる。
このまま見つからなかったらどうしよう。
もしミーコになにかあったら私……。
「お願い出てきて。ミーコ。ミーコ……」
私が足を止めたのは隣町の公園だった。
探すのに夢中でいつの間にかこんな場所まで来てしまった。
だけどたしかこの公園ってノラ猫が住み着いてるって噂だし、近所の人がエサを置いてるらしいからお腹をすかせたミーコがいるかもしれない。
「ミーコ。ミーコ」
私は公園にある遊具を全て見て回った。
砂場やジャングルジム。そして滑り台やトンネルが付いたタコ型の遊具も見たけどミーコはどこにもいない。
このままじゃ帰れない。
ミーコが外に出てしまったのは私の責任だし、私がもっと注意していれば……。
今さら後悔しても遅いのに悔しくて泣けてきた。
「……っ……」
泣いてる暇なんてないのに、どこを探したらいいのか分からない。
――と、その時。ガサッと物音がして慌てて振り向くとそこにいたのは……。
「っ……このバカ!こんなところでなにやってんだよ!」
それは息を切らせたハチだった。