幼なじみとさくらんぼ
モスチェリー
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次の日の学校。裕子は相変わらず休み時間になるとカバンからお菓子を出してそれを机に並べる。
一応我慢しててもこれだけ見せられたらひとつやふたつ手が伸びてしまう。
「へぇ、七海がデートねぇ」
「だから昨日のはただお茶をして話しただけ!」
「でもするんでしょ?日曜日に」
「う、それは……」
まだ返事はしていない。
あの時は断ろうと思ってたのにタイミング悪くハチが来ちゃうし。メールだと逆になんて言って断ったらいいか分からなくて送れずにいる。
だからこうして裕子に相談してるのに「デートぐらい行ってきたら?」なんて軽く言うし……。
「八島くん離れは成功って感じなの?」
「……それが全然」
結局あのあとハチはコンビニで買ったプリンをうちで食べて、しかもお母さんと一緒に。
二個あるしそれは私の分じゃないの?って言ったらハチは知らん顔だしお母さんは「私の分よね~」なんて上機嫌だったし。
なんだかんだいつものようにゴロゴロして9時過ぎにハチは家へと帰っていった。
「もう、だからふたりがくっつけばいいんだって。そんな家族同然の関係なんてこれから彼氏ができても難しいよ?」
「そう……なの?」
「2年付き合ったってお互いの親にはまだ会ってないし、家に上がるのも留守中だけ。私たちでさえこんなもんだよ」