狂愛に狂愛されて
『おはよ、唯』
唯「美優おはよー。昨日は大丈夫だった?」
『走ったら走って追いかけてきた。』
唯「えー、やだ、ホントに怖い。もう1か月になるでしょ?」
『うん…怖くて夜も眠れない』
ここ1か月。私は知らない人にストーカーされている。
顔はわからない。
街頭もほとんどなく真っ暗で、相手が影になっているから。
家にいても怖くて、なかなか寝られない。
目の下のクマはなくならない。濃くなる一方だ。
唯「警察とか言わなくていいの?」
『親もいないし、面倒だから…もうすぐ飽きるでしょ』
私は幼い頃親を亡くした。
最初は親戚の家に住んでいたが、もう高校生だということで一人暮らしをはじめた。
唯は私の親友だ。
唯「1か月もつづいてるんだから危ないって。気をつけなよ?」
『うん…』
「おはよー!!」
『おはよ、亮』
唯「おはよー!」
亮「またクマが濃くなってるぞ、ホントに大丈夫?」
『もうすぐ飽きるよ、大丈夫』
亮は私の幼なじみ。
私のことをすごく心配してくれている優しい人。
亮「俺も男だしなんかあったら言えよ?」
『うん、ありがと』