狂愛に狂愛されて

『おはよ、唯』








唯「美優おはよー。昨日は大丈夫だった?」








『走ったら走って追いかけてきた。』








唯「えー、やだ、ホントに怖い。もう1か月になるでしょ?」






『うん…怖くて夜も眠れない』






ここ1か月。私は知らない人にストーカーされている。






顔はわからない。
街頭もほとんどなく真っ暗で、相手が影になっているから。







家にいても怖くて、なかなか寝られない。
目の下のクマはなくならない。濃くなる一方だ。







唯「警察とか言わなくていいの?」





『親もいないし、面倒だから…もうすぐ飽きるでしょ』








私は幼い頃親を亡くした。








最初は親戚の家に住んでいたが、もう高校生だということで一人暮らしをはじめた。







唯は私の親友だ。







唯「1か月もつづいてるんだから危ないって。気をつけなよ?」






『うん…』






「おはよー!!」







『おはよ、亮』






唯「おはよー!」







亮「またクマが濃くなってるぞ、ホントに大丈夫?」







『もうすぐ飽きるよ、大丈夫』







亮は私の幼なじみ。
私のことをすごく心配してくれている優しい人。






亮「俺も男だしなんかあったら言えよ?」







『うん、ありがと』

< 2 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop