空の下で
なんだかんだ、いつも気になっちゃう。


外来が終わった後、回診した後、夜勤の帰り、ついつい覗きに行ってしまう。


いつ目を覚ますか、もしかしたら今覚ましてるんじゃ…って思うと、


お昼ごはんを食べる時間でさえ惜しく感じる。


「翔~?お前ちゃんと寝てるか?飯食ってるか?すっげぇ顔色悪いよ?」


「ちゃんと寝てるし、ご飯も食べてる。心配しすぎだよ」


「どうせ食ってないだろ?ほら」


そういって、ふくろをくれた。


「これでも食べたらちょっとはましになるだろ」


中をのぞくと、ミックスフルーツゼリーが入っていた。


「ありがと、あとで食べとく」


「ぜったい食べろよ?あと、何かあるなら言って?柚姫の看病なら俺やるよ?」


「いいよ、ありがとう」


そう言いながら、ゼリーをポケットに入れて、集中治療室に向かった。


「おはよ、柚姫」


そうこうして、三週間、ずっとこんな感じだ。


「今日は暑すぎて倒れそうだよ~、もう夏本番だもん」


カーテンを閉めて、俺と柚姫の二人の空間。


なんでもできるんだ。


「俺、今日忙しいから、次来るの夜になりそう。ごめんね?でもあと5分ここに居させて?」


手を握ってギュッとする。


だんだん、目の前が暗くなっていった。


なんか、息詰まる?


深呼吸して、抑える。


柚姫の前でこんなことできない…


目の前が真っ暗…


気づけば、椅子ごと倒れてた自分がいた…
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