空の下で
そうか、おれは柚姫を全然信じてなかった。


いつか必ず目を覚ますけど、もし急に発作が起きたら…?もし、最悪なことになったら…?


毎日そんな音しか考えずに生きていた。


柚姫ごめんなさい。


柚姫を信じる。


いつか、元気のある笑顔を見せてくれ…


俺はそれを信じる。


「河野…ありがと、ちゃんと自分の事を考えて、柚姫を信じる」


「ふぅ…やっと気づいたか。柚姫にそんなよわっちいとこ見せていいのか?柚姫の看病のせいで倒れて柚姫自分のせいだって責任感じてしまうとこあるの知ってるだろ…?」


「だな、ありがと、河野。俺気をつける」


柚姫は今のとこいい感じに安定してるみたい。


「とりあえず、今どうだ?気分」


「だいぶスッキリ」


「ちょっと手貸して?」


脈を集中して測ってる。


「うん、正常だ、くれぐれも無理するなよ?柚姫の調子が悪くなるだけだ」


「わかってる。ありがとう」


柚姫のことはしんじて、集中治療室へいかず、自分の外来の部屋へ向かった。
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