空の下で
少し経って、お母さんとお兄ちゃんが来た。
「柚姫…ほんとによかった…もう目を覚まさないのかと…」
「ちょっと母さんっ縁起もないことを…」
「心配掛けて…ごめんな…さい…」
「柚姫、息苦しいか?」
「ううん…平気……」
「柚姫はお父さんに似て、我慢するからね、駄目だよ?無理しちゃ」
「不便あったらすぐ俺か母さんに連絡しろよな?何でもするから…」
「うん…ありがとう…」
「なら柚姫も疲れてると思うし母さんたち、帰るね」
「うん…ありがとう」
奥の扉がカタンと聞こえると、物寂しい空気が漂わせた。
ずっと寝てたからか、腰がいたい…
ていうか、どれほど寝ていたんだろう…
ちょっと、胸に何か引っかかった。
気分…悪い…
寝たきりで力が入らなく、体を起こすことさえできなかった。
体全体を振動するように、不規則な鼓動が打ちつけられている。
モニターのアラームが流れ始め、本格的な発作になってきた。
強い酸素を入れられているはずなのに、酸素が吸えない。
「柚姫、ちょっとの辛抱だ、頑張って」
点滴がまた増えて、酸素もさらに強くされる。
「ハァ…ハァ…」
あっけなく、このように命は消えていくんだ。
「かけ………吐き……そ………」
ほんのかすかな声でも聞きとってくれた。
すぐに洗面器を持ってきてくれるが、もちろん何も食べていないから胃酸しか出ない。
背中をさすってくれて、30分程経って、吐き気は消えて、発作も治まった。
中学生のころと同じような感じじゃん…
あの時は治ってなかったの?ってぐらい…進行しているんだ。