空の下で
「もう私は……働けないの?」


「ううん、症状マシになって、体調もよかったら覗いてみるのもいいんじゃない?」


「早く治したい……」


スーッと、涙が頬を伝った。


「ゆーずき?」


左手でそっと濡れた頬を吹いてくれる。


「泣かないで、俺は絶対お前の心臓治してやるから、安心しろ、な?」


よけいになみだがでて、こらえきれなかった。


そのまま、泣きつかれて寝てしまい、気づけば家に着いていた。


「大丈夫か?体調、よければ家案内しようかなって思ったり…これから住む家だろ?」


「うん、平気」


外見はすごく大きな一軒家。


中に入ると、広くておおきなげんかんがあった。

廊下もあって、全部大きな部屋だった。


いろんな部屋を紹介してもらって、楽しかった。


「まぁなにか困ったことあったら遠慮なく言ってな?あと、家事はほんとに大丈夫だから、気を使わなくていいよ」


「それは女の務めだから……」


「医者が患者さんにそんなこと強要しません」


「あ……はい…」


やさしすぎるよ……翔…
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