空の下で
「そういえば、まだぜんぜん柚姫の事知らないや……好きな食べ物は何?」


「んー…お寿司とラーメンと肉じゃが……かなぁ」


「うわぁ、肉食系だねぇ」


「翔は?何が好き?」


「俺は、ラーメンとハンバーグかな」


「ふふふ、今度作ってあげる」


「いやいやいや、大人しくしてて!」


かけるは優しすぎるよ……ほんとに……


家に着くと、ソファーでゆっくりしててっていうから、横になっていたら、そのまま寝てしまった。


起こされた時には目の前に肉じゃががあった。


「作って……くれたの?」


「おもてなしだよ」


ふふって照れながら言ってくれた。


「ありがとう……」


涙が止まらなかった。


「ほら、泣かずに食べて?」


涙を拭きながら、小さなじゃがいもをひとつ口の中に入れた。
< 86 / 128 >

この作品をシェア

pagetop