The principle of myself
プロローグ
27歳、冬。
家から1歩外に出て息を吸うと、空気が冷たい。
靴下を2枚重ねてはいても足は凍える。
上着を着ても寒さで肩が震える。
「おい、風邪引くぞ。」
そう言いながら、私の肩にブランケットをかけてくれる優しい夫。
「ありがとう。」
どんなに寒いなかでも、この夫のお陰で凍え死ぬことはないんだろう。
それくらい温かい。
10年前の今頃は気付きもしなかった人の暖かさ。
10年前の私?辛いことがあっても無理して笑ってるんでしょ?
でも大丈夫よ?いつか、本当のあなたに気づいてくれる人が現れるからね。
それまで前に進み続けなさい。
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